Webメニューはなぜ左側に配置されている? (身体的機能と文字の並びとシェードネグレクト)
先日飲みの席で、先輩が「Webのメニューはなぜ左側か?」という問いを出しました。その問いが興味深かったので、まとめてみました。
身体的機能による説
「右手を前に出した状態(ちょうどマウスを握った状態)では、顔は左側は向けやすいけど、右側に向けづらいから。だから見やすい位置に、大切な要素を配置している」
上記の問いに対する先輩の回答がこれでした。
この説に科学的な根拠があるのかは不明ですが、実際に試すと、確かに右手を前に出すと右側は向けづらいような・・・。しかしディスプレイを見るときに、そこまで首を右に振ることは無いのではないかと、半信半疑で聞いていました。
言語の特性による説
「英語の並び順。左から右に読むのが自然だから」
その場で思いついた私の回答です。
この説を裏付けるために、世界各国のWebデザインと日本のWebデザインの特徴というサイトで英語、日本語、アラビア語のWebレイアウトを比較してみました。
英語、日本語(横書き)は画面上部か左にメニューがあるものが大半で、左から右へ目線が移動するのですが、文字を右から左へ読むアラビア語のサイトでは、英語とは対象的に、右にメニュー、真ん中にメインコンテンツが配置されているようです。やはり文字の並び順は多分にレイアウトに影響していそうです。
シェードネグレクト。脳は左側を重視する
人は左側の視野を重要視する。
もう一つ左側にメニューがある理由として思いついたのが「シェードネグレクト」という現象です。シェードネグレクトとは、脳科学(心理学?)の言葉で、「人は左側の視野に注意が行きやすいという現象」の事です。
池谷祐二先生の「脳には妙な癖がある」という本で紹介されていたのですが、左半分が笑顔、右半分が暗い顔と左半分が暗い顔、右半分が笑顔という絵を被験者に見せ、どちらがより笑顔に見えるかと実験したところ、左半分が笑顔の方が、笑顔であると認識する率が高いそうです。
※ シェードネグレクトについては、池谷先生の記事がWebに掲載されていました。脳は左側を重視する
まとめ
「Webメニューはなぜ左側か?」という問いには、様々な理由が考えられ、「これっ」という答えは導く事は難しいと思いますが、このような「何気ないことに問いを立てた」という事自体が面白いと思い、あれこれ思索してみました。
おまけ シェードネグレクトと身体的機能の関係
脳は左側を重視するの記事を読むと、シェードネグレクトの原因はまだ解明されてないようですが、左視野を重視するのは右利きの人が大半との事で、聞き手と関連があるそうです。素人考えですが、もしかしたらシェードネグレクトは、「右手を前に出すと右を向きづらい」という身体的特性と関連があるのかもしれません。